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撮影の現場から!

一変したビデオカメラ

青山貞一 Teiichi Aoyama

掲載月日:2011年1月28日
独立系メディア
E-wave

 
 私はここ数年で一番激しく製品、製造の技術が進んだ家電は、デジタルビデオカメラであると思っている。

 技術発展の中心にあるのは、SDHCとよばれるメモリーカードである。現在、32GBのSDHCが市販されている。また16GBは秋葉で何と2500円程度で売られている。驚きである。


16GBのSDHC


 その大容量SDHCメモリーカードの出現により、デジタル・ビデオ・カメラは一変した。

 軽くて小型、モーター駆動部がなくなり電池が比較的に長持ちするなど、今までの課題が一気に解決したといって良いだろう。それ以前は、ビデオテープそしてハードディスク(HDD)が記録媒体として使われていた。

 ビデオテープ方式の場合には、ビデオカメラにモーターなど機械的な駆動部が必要となるだけでなく、キャプチャーといって手間がかかる媒体変換が不可避であった。HDD方式では、キャプチャーは不必要となり、撮影とともにビデオクリップがHDDの中に自動的につくられたが、やはりモーターなど機械的駆動部分が必要であり、テープ同様、電池が早く無くなってしまうこと、また機械的振動に弱く、地面などにカメラを落とすと、HDDが破損し、録画した映像ファイルが一瞬にして破壊することになった。またHDDはは結構重い。

 実際、私はクロアチアの世界遺産、ドブロブニクでHDD方式のビデオカメラを撮影中に落下させ、ビデオクリップをすべて壊してしまったことがある。

 SDHC方式になって、上記の一連の問題がすべて解決してしまった。テープもHDDも不要となり、一気に軽量化し、電池の使用量も激減した。

 しかも、Yashika, Exemodeなどが中国(あるいは台湾)で製造し、OEMで発売しているデジタル・ビデオ・カメラは、価格も日本のブランドメーカーであるSony, Victor, Panasonicなどに比べて1/4〜1/2と超リーズナブルというか、廉価である。

 ちなみに以下の「論考」に出てくる現在私が使っている中国(あるいは台湾)製のDVHーA81という中国製のフルハイビジョンのデジタルビデオカメラは、秋葉で6900円で買った(残念ながら現在はこの値段では売っていない)。類似の製品がYashika, Exemodeなどからでているが、それらは14000〜16000円である。もちろんこの価格でも廉価だ。

 最初はこんな安くて使い物になるのかと、騙されて買ったつもりだったが、あにはからんや、DVHーA81は大変秀逸のビデオカメラである。

DVHーA81

 以下にあるように、私は過去、1台、7〜40万円もするビクターのデジタル・ビデオ・カメラを使ってきたが、DVHーA81を使って以来、もうビクターのビデオカメラは移動用には使う気にならなくなった。


左からGR−HD1、GZ−MG40−S、GZ−MG505そしてDVH-A81
本体だけでなく電池の大きさを比較して欲しい。
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8
 

 肝腎な電池だが、DVHーA81はNP120という規格品を使っている。

 ニコンのデジカメのように新製品が出る度に、違った電池、しかも規格品でニコン独自の電池を使っているのと大違いである。

 DVHーA81には購入時ひとつのNP120が付属指定が、最近、NP120を大阪の業者から2個1500円で買った。

 大メーカーのデジカメやデジタルビデオカメラの電池を別売で購入すると何と1個4000−6000円もする。冗談じゃないが、6000円もだせば本体、電池、ソフトケース、アクセサリー付きのDVHーA81が変えてしまうのだ!

 何しろ軽くて小型、電池はNP120の汎用製品で長時間連続して使える。しかも、DVHーA81はフルハイビジョン(1080p)まで対応しており、値段が破格である。

 もっぱら、今現在は6900円では売っていないが、仮に15000円で買ってもまだ安いと思える。

 逆に言えば、日本のSony, Victor, Panasonicなどは、何をしているのだろうか? 航空運賃といい、パソコンといい、二次産業大国日本のIT関連機器は、いずれも高額だ。これでは中国(台湾)製などに勝てるはずがない。

 逆説すれば、多くの日本人は実態とかけ離れた日本製というブランド嗜好となっていて、極端に高い買い物をさせられているといっても良いだろう。

 E-waveでは、DVHーA81を積極的に使用してゆく。
  
 以下は、昨年書いたデジタル・ビデオ・カメラについての論考である。

青山貞一:デジタルビデオカメラ−SDHCで軽量・省エネ・価格革命

 数あるIT家電のなかで、「デジタル・ビデオ・カメラ」ほど、短期間のうちに軽量、省エネ、高画質、廉価化そして楽々編集を実現した分野はないだろう。

 技術的に見ると、その中心にあるのが大容量のSDカード(SDHC)である。今や4GB〜16GBのSDHCは廉価の一途をたどっている。SHDCは16GBでも3000程度で売っている。


16GBのSDHC

 今までのデジタルビデオカメラを見ると、1)ビデオテープ、2)小型ハードディスク化、3)SDカード化の道を歩んできた。SDカードまで来たものの、大容量のSDカードが高額だったため、SDカードムービーは、1)や2)の補完的位置に甘んじていた。

 しかし、4GB〜16GBのSDHCが廉価化の一途をたどるにつれ、SDHCが映像記憶媒体の中心に躍り出てきたのである。

 その結果、1)や2)のように電力を食う機械的駆動部分がほとんどなくなった。1)はテープを回すモーターが、2)はHDDを回すモーターが必要だったが、SDHCが映像記憶媒体は、その種の機械的駆動部分が不要となった。

 SDHCを使えば、重量があって結構高額なリチウムイオンバッテリーが不要となる。実際、SDHCを記憶媒体としたデジタルビデオカメラは、デジカメと同様のバッテリーで十分となる。

 そもそも、よほど長時間の撮影でない限り、メモリーは4GBあれば十分である。長時間の場合でも16GBを数枚持っていればよい。私の日常的な使用実績では、4GBを数枚持っていれば通常の環境調査は十分である。

 しかも、SDHCであれば1GBでも16GBでも重さはほとんど変わらない。しかも電力使用量はモーター駆動タイプに比べれば雲泥の差で少ない。

 これにより超軽量なデジタルビデオカメラが実現した。実際、現在市販されているビデオカメラは、1台で約292g(バッテリーを含まず)とウソみたいに軽い。

 一方、HDDやSDデジタルビデオカメラが切り開いたキャプチャー不要のクリップ単位の動画圧縮ファイル方式は、SDHCでもそのまま生きているから、一昔前のビデオテープ時代に比べれば、編集作業は極めて容易である。もちろん、高精度の静止画像も撮影出来るから、デジカメはほとんど不要となる。

 このように、SDHCデジタルビデオカメラは、大容量、重量化の道を歩んできたデジタルビデオカメラを本来の軽量、省エネ、高速化の道に切り替えさせたのである。充電時間がかかり重たいバッテリーも不要となり、HDDビデオカメラのように、どこかにぶつけて壊すリスクも激減した。

 私は過去、ビデオテープタイプとしてソニーのハンディーカム(DCR−HC41NTSC)、ビクターのデジタルハイビジョンビデオカメラ、GR−HD1を、HDDタイプとしてビクターのGZ−MG40−Sそして同じくビクターのGZ−MG505を使ってきた。

 GR−HD1は主にビデオテープ用のデジタルハイビジョンだが、何と1台、40万円以上し大きく重い。 HDDタイプのGZ−MG505にしても10万円弱した。同じくHDDタイプのGZ−MG40−Sはクロアチアのドブロブニクで大理石の道路上の落としてしまい一部が破損した。長時間用のバッテリーは結構重かった。

 そして現在はと言えば、中国製のSDHCビデオカメラ、DVH-A81を使っている。下に仕様を示す。ハイビジョン仕様で主さは約292g(バッテリーを含まず)である。動画の最大解像度は1080i / 60fpsで ,形式は、MOV(Quick TIme)、H.264であり、 静止画の最大解像度:12Mで形式はJPEG DCFである。



DVH-A81 デジタル家電の詳細仕様
種類 DVカメラ
・ 1/2.3”CMOSセンサー 1.00MegaPixel
・ レンズ Wide:F3.5〜F32 f=6.8mm ,Tele:F3.7〜F33.8 f=34mm
・ フォーカス Wide:10cm〜∞ ,Tele:1m〜∞ ,Macro Wide:2〜80cm
・ 光学ズーム:5倍 ,デジタルズーム:10倍
・ 動画 最大解像度:1080i / 60fps ,形式:H.264
・ 静止画 最大解像度:12M ,形式:JPEG DCF
・ 3.0インチ 16:9 TFT液晶(960×240)搭載
・ 128MB FlashMemory + SDHC(〜16GB)
・ I/F:USB2.0 ,AV出力:NTSC/PAL HDMI
・ 電源:Li-ionバッテリーNP120
・ サイズ:57(W)×70(H)×129(D)mm ,重量:約292g

 Windows 7なら拡張子がMOVでも、動画クリップがそのまま読める。またCorelのビデオスタジオ12などの編集ソフトでも、MOV,H.264はそのまま読み込める。キャプチャーが不要なだけでなく、編集作業が格段に楽になった。

 下に各DVCの写真を示す(ただし、ソニーは含まず)。右端が今回購入したDVH-A81。


左からGR−HD1、GZ−MG40−S、GZ−MG505そしてDVH-A81
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8

 以下は動画(WVGA)から切り出し静止画化した「はな」ちゃん。



 しかも、価格でも革命が起きている。私はこのSDHCタイプのハイビジョン対応DVカメラをアキバで買ったが、価格は何と6千円台、現在は1万5000円程度だ。

 附属している電池は、リチウムイオンのNP120。3.7V,1700mAでバッテリーチャージャーも附属している。