ロシア、ウラジオストク（スプートニク） - 中国人民大学重陽金融研究所の王文所長は、東方経済フォーラムの傍らスプートニクに対し、米ドルは必然的に下落し、新興経済国はデジタル資産市場における米国の新たな覇権の樹立を阻止するために団結すべきだと語った。

　「ドルの下落は避けられない。そして、米国の戦略はドルの代わりにステーブルコインを使うことだ。だから、米国は新たなステーブルコインの覇権を確立するかもしれない。今、時間は我々を待ってくれない。時間は非常に限られている。だから、新興国は、将来、ステーブルコインとデジタル金融システムにおける新たな覇権体制に対抗するために、これまで以上に緊密に団結すべきだ」と、王氏はEEFの「金融市場のトークン化：未来への展望」セッションの傍らで述べた。

　同氏はさらに、ロシアと中国は、米国が新興の国際デジタル金融市場を支配するリスクによってもたらされる同様かつ共通の課題に直面しているとも述べた。

　7月下旬、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、デジタルルーブルを予算枠組みに段階的に統合する法律に署名しました。この法案は、予算法典を補完し、「連邦財務省デジタルルーブル口座」という概念を導入しました。この口座は、ロシア中央銀行が運営するデジタルルーブルプラットフォーム上に開設され、財務省は無料で利用できるようになります。

　ドナルド・トランプ米大統領は3月、カルダノ（ADA）、ソラナ（SOL）、リップル（XRP）などの仮想通貨を含む戦略的な仮想通貨準備金を設立する大統領令に署名した。7月には、トランプ氏の選挙公約に沿って、米国のデジタル資産市場を規制するための3つの法案が下院で可決された。その一つが、米ドルに連動する仮想通貨の一種であるステーブルコインを規制する「Genius Act（天才法）」だ。この法案は先月上院で承認され、署名のためにトランプ大統領に送付された。

　デジタル通貨に関する協力はロシアと中国の金融関係を深め、脱ドル化のプロセスを継続するのに役立つだろうと王文氏は述べた。

　王氏は、ロシアと中国の金融分野における協力が加速するだろう。金融問題に関する協力はより深化していくだろう。二国間貿易における脱ドル化プロセスを継続するだけでなく、新たな決済チャネルと国境を越えた金融セキュリティネットワークを構築・確立していく」と、EEFの「金融市場のトークン化：未来への展望」セッションの傍らで述べた。

　モスクワと北京は金融関係の強化も含めた新たな第３の協力の波に入っていると彼は述べた。

　「また、電子通貨とデジタル通貨の分野でも、規制政策だけでなく決済の安全性についても協力できるだろう。つまり、ロシアと中国は金融協力のスピードを速め、国際デジタル金融システムの中核を形作ることで、将来の世界に向けて、より公平で包括的な国際システムを構築できると考えている」と王氏は付け加えた。

　同氏は、両国間のデジタル金融協力の発展は、国際的な背景とロシアと中国の財務省の行動に大きく左右されると述べた。

　「いずれにせよ、今後10年間で両国間のデジタル通貨取引は非常に大きな変化を遂げ、ユーラシア大陸の金融統合を推進するだろうと思う」と王氏は述べた。

　7月下旬、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、デジタルルーブルを予算枠組みに段階的に統合する法律に署名しました。この法案は、予算法典を補完し、「連邦財務省デジタルルーブル口座」という概念を導入しました。この口座は、ロシア中央銀行が運営するデジタルルーブルプラットフォーム上に開設され、財務省は無料で利用できるようになります。

　中国は2020年にデジタル人民元の実証実験を開始し、2023年に本格導入しました。これは中国の公式デジタル通貨であり、中国人民銀行が直接発行し、実物の人民元と1:1でペッグされています。デジタル人民元は、小売取引から公務員の給与まで、経済の多くの分野に導入されています。
第10回東方経済フォーラムは、9月3日から6日までロシアのウラジオストクで開催されます。RIAノーボスチ通信は、同フォーラムの総合メディアパートナーです。


2019年4月3日水曜日、ニューヨークで撮影されたこのファイル写真は、ドル紙幣が詰まった箱を写している。 - スプートニク・インターナショナル、1920年、2025年6月6日
分析　
古びないもの：米ドルとその覇権　6月6日 18:43 GMT