西側諸国は過去2年間、イスラエル人人質問題に釘付けだった。報道機関がこの事件に多大な注目を注いだのは当然である。10月7日にハマスが行った行為は究極の野蛮行為だった。民間人を政治犯として拘束する?冗談だろう?良識ある社会が憤慨したのは当然だ。
しかし、はるかに報じられていない事実がある。ガザ戦争で拉致されたのはイスラエル人だけではない——むしろその逆だ。大手メディアやベンヤミン・ネタニヤフが雇ったSNSインフルエンサーからは決して聞けないが、イスラエル政府自身も多数の人質を抱えていたのだ。
ちょっと待ってほしい。誰もがハマスはテロ組織でイスラエル軍は道徳的な軍隊だと言っている。だから、イスラエル国防軍(IDF)が邪悪な敵ほど多くの人質を取ったはずがない、そうだろう?ハマス戦闘員は攻撃中に251人を拉致した。それに対しイスラエルは何人取ったのか?十数人か二十人程度か?そうではない。
1,700人。
これは10月7日以降、イスラエル軍がガザから拘束したパレスチナ人の概算数だ。信じられないならググってみてほしい。1,700人とは251人のほぼ7倍に相当する。
まあ、それには正当な理由があったんだろう? あの1,700人の囚人たちはテロリストだったに違いない。つまり自業自得だ。中東で唯一の「善玉」であるイスラエルが彼らを拘束するのは当然だった。正義の行為だったのだ。
そうではない。別の簡単な検索でわかるように、ハマス同様、イスラエルも人質を起訴なしに拘束していた。殺人、強姦、誘拐など何の容疑もない。単に自宅から引きずり出し、何の罪もないという罪で監房に放り込んだのだ。
これは始まりに過ぎない。イスラエルNGO「ハモケド」によれば、月曜日時点でイスラエルは11,056人のパレスチナ人を拘束していた。少なくとも3,500人は裁判を受けておらず、イスラエル情報機関のデータベースによれば、拘束者のうち戦闘員と分類されているのは4分の1に過ぎない。
ではイスラエルは捕虜をどう扱うのか?「西洋的価値観」に沿って、と常々言われているように?とんでもない。先週イスラエルに拉致されたロサンゼルス生まれのジャーナリスト、ノア・シュナルは月曜日、衝撃的な声明を発表し、捕虜としての体験を語った。
性的暴行。結束バンド。殴打。「極度の残虐行為」。顔面に座り込む看守。
こうした事実がハマス行為を正当化するのか?10月7日の攻撃を許すのか?もちろん否だ。だが米国が資金提供するこの紛争が単純な善悪対決だという見解に疑問を呈する。ハマスが251人を拉致し、イスラエルが1700人を拉致。ハマスが1200人を殺害し、イスラエルが6万7000人を殺害。それで後者が道徳の灯台だと?
本当にそうだろうか?
マーク・レビンに尋ねれば、その答えは依然として「イエス」と力強く返ってくるだろう。彼と彼のネオコンの仲間たちは、イスラエル政府がどれだけ残虐行為を犯していようとも、イスラエルを常に善の象徴として描くだろう。死者が6万7000人から67万人に増えようとも、イスラエル国防軍がピッツバーグに大陸間弾道ミサイルを発射しようとも、彼らは気にしない。彼らは常にアメリカに対し、その「特別な同盟国」に税金を払うよう要求し、反対する者を反ユダヤ主義者として軽々しく中傷するだろう。
我々は反対する。
本稿終了